第一次提言
本来、子どもは、素直で、明るく、活動的です。そして、今の子どもは、新しい情報機器を利用し、情報を得ることも得意です。しかし、「学力が低下している」、「基本的な生活習慣が身に付いていない」、「集団生活におけるルールやマナーが守れない」など、子どもの成長に不安をもつ人も多く、子ども自身も様々な問題を抱えていることは事実です。
このような子どもの現状は、私たち大人がこれまで行ってきた教育の結果ではないでしょうか。特に、個性、自由、平等などといった教育の基本に関する理念については、共通認識がなされているとは言えず、各々の考え方で指導が行われてきたきらいがありました。このため、これからの福岡を担う子どもを育てるには、こうした教育の基本的な理念について共通認識を図る必要があります。
また、学校だけに子どもの教育を任せたり、家庭や地域に責任を転嫁したりしていては、問題の解決にはならず、さらに、学校と家庭、そして地域がまちまちの指導を行っても、子どもは迷うだけであり、子どもの健やかな成長は望めません。私たち大人は、子どもの現状や子どもを取り巻く環境に対して責任をもたなければなりません。
このため、行政はもとより、学校、家庭、地域が、子どもの教育の在り方について共通認識を図るとともに、それぞれの役割を明確にして連携・協力し、責任をもって子どもを育成していくことを目的として「福岡の教育ビジョン」を策定しました。
この「福岡の教育ビジョン」策定に当たっては、まず、子どもの現状を分析し、その要因と課題解決のためには何が必要かなどについて議論しました。
子どもの現状については、表面的な現象だけにとらわれず、その本質的な課題について議論した結果、以下の4点に整理しました。
- 学力低下などの背景には、子どもの学ぶ意欲が低下しているという課題があります。
- 自立できなかったり、人間関係がうまく築けなかったりする背景には、「自分に自信がない」など、自尊感情が低下しているという課題があります。
- 公共の場でのルールやマナーが守れない、公徳心がない、といった行動の裏側には、「他人への迷惑を意識しない」、「ルールやマナー自体を知らない」、「ルールやマナーは知っているが、実践しない」など、規範意識が低下しているという課題があります。
- これまで述べてきた「学ぶ意欲」、「自尊感情」、「規範意識」は、心身のたくましさと密接な関係があり、これら3つの課題に取り組むためには、心身ともにたくましい子どもを育成する必要があります。
私たちは、これらの4つの本質的な課題を解決するための取組として、「福岡がめざす子ども」の姿を「志をもって意欲的に学び、自律心と思いやりの心をもつ、たくましい子ども」と設定し、この「福岡がめざす子ども」の育成のために、早急に取り組むアクションプランとして、6つの提案をします。
現在、福岡県では、それぞれの志をもった青少年を育成するため、家庭や地域などが中心となった「青少年アンビシャス運動」が推進され、これまでの運動の成果を検証し、更なる県民運動として継続・発展させた第2期の運動が展開されているところです。
この「福岡の教育ビジョン」は、上記の「福岡がめざす子ども」を育成するため、学校が中心となって、家庭や地域、行政が連携・支援しながら県民総がかりで取り組むべきことを提案するものです。
したがって、「福岡の教育ビジョン」の具現化を図るため、「青少年アンビシャス運動」と連携・協力しながら県民運動として広く展開されていくことを期待します。







