課題4 体力等の低下
子どもの現状


13歳の50m走の経年変化
(体力・運動能力テスト文部科学省H18)
日常の子どもの様子をみると、心の面では、何かを我慢して実行するという気力や忍耐力に欠ける。一方、体力の面では起立した姿勢を続けることができない、疲れやすいなどの体力が備わっていない状況も見受けられる。
子どもの体格や体力・運動能力の調査結果によると、年々、子どもの身長や体重などは増加傾向にある。しかし、体力や運動能力の面では全国的に年々低下傾向にあり、しかも、福岡県の児童生徒は、多くの項目で全国平均を下回っている。
意欲的に学習に取り組んだり、自信をもって積極的に活動したり、規範に基づいて行動したりするためには、これらの基盤となる体力・精神力など、心身の両面にわたってその力を向上させていくことが必要である。
その要因として考えられること

体力等の低下の要因としては、遊ぶ場、遊ぶ仲間、遊ぶ時間の減少による日常の運動機会と運動量の減少が考えられる。その背景として、都市化の影響等による遊ぶ場の減少、少子化等による遊びの変化(外遊びから室内遊びへ、集団遊びから個の遊びへ等)、塾通い等による子どもの多忙化が考えられる。
学校においては、始業前、昼休み、放課後の外遊びが減少していること、また、家庭においては、保護者が外遊びやスポーツの重要性を軽視したり、けがや事故を心配するあまり、過度に子どもの活動を制限したりすることが要因になっていると考えられる。
一方、大人の社会が夜型社会へ移行しており、深夜営業店に幼児・児童を連れて行ったり、夜遅くまでテレビ等を視聴したりすることなどにより、睡眠時間が不足し、子どもの生活リズムが乱されている。また、食習慣についても朝食の欠食、スナック菓子や清涼飲料水の過剰摂取など、運動不足と併せて生活習慣病の低年齢化につながっている。このように、生活リズムや食習慣の乱れも体力等の低下の要因として考えられる。
これらのことが、子どもの心身の健康面に大きく影響しており、遊ぶ気力の減退、集中力の欠如、疲労感の増加など、体力等の低下の要因として考えられる。
体力等を高める取組の視点

運動の機会や場の提供
日常生活において、子どもが外で遊ぶ場、時間、仲間が減少し、運動する機会が減少している。
このため、学校においては、始業前・昼休み・放課後を活用しての遊びや運動の奨励、部活動等への加入促進など、継続的な運動の機会や場を増やすことが大切である。
また、近年、児童生徒数の減少により、学校行事や部活動などを効果的に実施することが困難になっている。そこで、近隣の学校などとの合同による実施などを進めることも必要である。
家庭においては、子どもを山や海、川など自然とふれあう活動や外遊びの機会、家族でスポーツに親しむ機会を増やすことが大切である。
地域においては、安全な運動のための環境整備、体力向上に向けた運動チャレンジの場や機会の提供、異年齢の子どもが交流する場の確保、子どもの参加を促す地域スポーツ活動の充実等に取り組むことが大切である。
たくましい心身の育成
本来、子どもは集団の中でたくましく成長していくものであり、互いに切磋琢磨して自分を高めていく力をもっている。
従来、ともすれば「平等」という名のもとに、子どもを一律に扱い、あらゆる競い合いを排除して、各々の努力の結果に差異をつけることをためらう傾向が見られた。しかし「平等」とは、結果の平、等ではなく機会の平等を保障することであり、各人の違いや努力の結果は正当に評価されるべきものである。
こうしたことについて共通理解を図り、互いに競い合う中で、勝利から学んだり、敗北から学んだりすることができるように指導し、子どもの発達段階に応じた健全な競争心を満たす取組を進め、たくましい心身の育成を図ることが必要である。
また、家族で健康であることの大切さ、有り難さを語り合ったり、学校で健康についての正しい知識の習得を図ったりする取組を推進することも必要である。
幼児期からの外遊びの促進
集団での遊びは、社会性やコミュニケーション能力の基礎を培い、規範意識や自尊感情を育成することにつながるだけでなく、子どもの運動能力や体力を向上させることになる。
特に、幼児期に外遊びを十分に経験している子どもは、体を動かす楽しさや心地よさを実感し、運動を好きになる傾向にある。また、幼児期の外遊びは、走ったり、遊具等を使ったりすることが多く、各種の運動の基礎となる瞬発力、調整力、敏捷性を向上させる上で大切である。
このように、幼児期の外遊びを重視し、奨励する取組が必要である。
規則正しい生活習慣と食習慣の確立
子どもの健やかな成長には、十分な栄養と睡眠、適度な運動が大切である。したがって、幼児期から「早寝・早起き・朝ごはん」を実践し、規則正しい生活習慣を確立させることが大切である。また、生活習慣病の低年齢化が危惧されており、正しい食習慣と遊びや運動を中心とした運動習慣を確立することが必要である。







