「教育力向上」福岡県民運動ってなに?

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課題は分かるけど、実際にどうすればいいのか、具体的なポイントや取り組み例を紹介していきます。
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「自尊感情」を中心に、具体的なポイントや取組事例を紹介しています。
 取組事例紹介FAQ リンク集
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具体的な取組事例

【種別】

■小学校 □中学校 □高等学校 □特別支援学校 □幼稚園・保育園

□家庭 □地域 □通学合宿 □その他( )

取組名

「学ぶ意欲を高め、学力向上をめざす取組」

実施団体

糸島市立怡土小学校

市町村

糸島市

該当する

アクション

プラン

提案1「実体験を重視した教育推進しよう」

提案2「学校を支援する体制を整備しよう」

提案4「校長のリーダーシップと教師の力量が発揮できる環境を整備しよう」

提案5「家庭の教育力を高めよう」

提案6「地域の教育力を高めよう」

実施期日(期間)

通年

対象・参加者数

怡土小学校児童372名、教職員、保護者、地域住民

ねらい

(1)活動や生活も含めた学ぶ意欲を高め、学力の向上をめざす

(2)新家庭教育宣言に取り組むことを通して、家庭における子どもの生活力を高める

(3)地域との連携活動を推進し、子どもが人と関わる力を高める

学校・家庭・地域の連携における活動の工夫点

  本校では、平成21年度より教育力向上福岡県民運動の視点に立った取組の〈試行期〉と位置づけ、教育内容・組織運営の改善とともに、学びの力と豊かな心の育成に取り組み、学ぶことや挨拶などの基本的なことへの意識を高めることができた。

  これを受けて本年度は、前年度の取組を発展させる〈改善期〉として、(1)子どもの意欲を引き出す主体的な学びの育成、(2)子どもの生活や自主的な活動を促す家庭教育の充実、(3)身近な人々との交流を通した心の育成を基本方針としている。

  この際に、(1)は学校、(2)は家庭(PTA)、(3)は地域が主に役割を担い、これらの連携を通して、子どもたちの活動や生活への意欲を高めるとともに、学校は学力向上の取組の主体としてその充実に努めることとした。

  これまでも、本校区では、学校やPTA、公民館を中心とする地域活動などを通して、子どもの健全育成を図る取組が行われてきた。しかし、ややもすると、それぞれが担っている活動や取組を行うことに止まり、これら相互の連携の意識が薄れがちであった。

  そこで、本年度は、「学ぶ意欲と学力向上」という方向性を学校がより鮮明に発信し、学校・家庭・地域がそれぞれの教育力を発揮し、ともに協力してめざす子どもの姿に迫るという意識化を図りながら取り組むこととした。

  そのために、教育力向上アクションプラン会議で、学校・家庭・地域の連携について協議を行い、団体相互の関係や取組をさらに推進することを考えた。

校内においては、(1)学校における学ぶ意欲(生活・活動に対する)を高める取組は生徒指導推進部・健康安全推進部が、(2)学力向上を図る授業の充実をめざす研修は研究推進部が担っていくこととした。

  また、新家庭教育宣言の取組については、PTA総務に関わる校長・教頭・教務主任が、その内容や方法などをPTA運営委員会にはたらきかけていった。

  そして、公民館をはじめとする地域の取組は地域連携推進部が、怡土リンピック(地域と学校による共催の運動会)をはじめとする協力や学校への支援要請などを行ってきている。

 

組織図.JPG

 

  家庭に関わる組織としては、PTA運営委員会の中の総務部が新家庭教育宣言の趣旨や取組の具体化を行い、学級集会部がその内容をPTA会員に広げる役割と各家庭での取組結果の集約を行っている。また、運営委員会は、地域での集団遊び(実体験)を奨励している「あそびの城」の企画・運営にも携わっている。

  地域の組織としては、怡土公民館が窓口となり学校との共催行事(怡土リンピック)や、アドベンチャースクールの企画・運営を進めている。また、学校からの募集に応じた地域の方々(スクールボランティア)が、生活科や総合的な学習などのGTや支援者として協力してくださっている。さらに、地域の「見守り隊」の方々は、毎日の登下校時の安全監視や交流を通して、子どもたちとの関わりを深めてくださっている。

1 学ぶことへの基盤づくりとしての取組

1 子どもたちの活動や生活への意欲を高めるために

  昨年度は、学力向上を課題として取り組んできたが、学習のみを取り上げるのではなく、学ぶ基盤として、学校におけるさまざまな場面で子どもたちが目標をもったり、遊びや活動・行事などに地域・保護者の協力を得ながらモチベーションを高めて取り組んだりすることが本校の子どもたちには必要であると感じられた。

 

(1)「○○名人」の取組(学校による)・・・AP1,4              床を拭きあげる子たち床を吹き上げる子たち

  学校生活の中での望ましい姿の育成と、それに向かい努力する意欲を高めることをねらいとして、「掃除名人」(健康安全推進部)、「挨拶名人」「廊下の通り方名人」(生徒指導部)、「発表名人」(研究推進部)の取組を実施した。具体的には、各推進部が目標行動(例:「掃除名人=時間いっぱい・掃除の仕方を守って掃除ができる等」)を示し、一定期間の取組の結果をもとに学級ごとに「掃除名人」を選び、認定書を渡していった。なお、この取組は、「もくもく(黙々)掃除ができる」など目標行動のレベルを上げて、各学期で行ってきた。

 

(2)集団遊びの取組(学校・地域・PTAによる)・・・AP1大縄跳び大会               大縄跳び大会

  子どもたちの集団遊びを健康安全推進部が企画し、健康委員会(児童委員会)の運営によって行った。2学期はアスレチック遊びを、3学期には大縄跳び大会を行い、特に大縄跳びでは、各学級で目標とする回数を決め、その達成に向けて休み時間に練習を繰り返し、一つの活動にみんなで取り組む姿が見られた。

  また、放課後の低学年や、休日の子どもたちを対象として、「あそびの城」が開催された。この取組は、「あそびの城実行委員会」が中心となって行われているが、PTAが担当する回もあり、子どもたちが集団で活動する場になるとともに異学年の友達と一緒に遊ぶ楽しさを味わわせる大切な場となっている。

 

(3)地域連携行事の取組(学校・地域・PTAによる)・・・AP1地域対抗種目           地域対抗種目

  本校区では、様々な世代の人と関わる行事として、学校と地域の共催による運動会(怡土リンピック)がある。この怡土リンピックは、少子化や高齢化の影響もあり、プログラムや時間の設定など、各種団体との調整や準備などが必要であり、開催までにはかなりの労力を要する。しかし、本校区の世代を超えた人々が参集する一大行事であり、学校と地域をつなぐ大きな意味合いをもつものである。                          

  そこで、学校からは地域連携部が、PTAからは役員が準備委員会に参加して協議を重ねた。その結果、小学校の演技や競技をメインとしながら、子どもたちが地域の人たちに見守られたり、ふれあったりする行事としてのスムーズな運営がなされた。

 

(4)新家庭教育宣言の取組(PTAによる)・・・AP5

  子どもたちの生活ならびに家庭の教育力向上は、学ぶことへの基盤づくりとして大きなウエイトを占めるものである。そこで、本年度は、学校から要請するかたちで、PTAの重点的な取組として、新家庭教育宣言の取り組みを行うこととした。手順としては、PTA運営委員会で総務部を中心として取組の趣旨や内容についての共通理解を図り、学級集会部が年度はじめの学級集会で各家庭への周知ならびに実践を行っていった。

 

2 子どもたちの人との関わりへの意欲を高めるために                        

(1)「スクールボランティア」による支援の取組(地域による)・・・AP2

  子どもたちが「自分たちを取り巻く人たち」の存在を意識し、進んで関わりを持つ機会として、また、学校に対する支援として、地域の方々によるスクールボランティアの活動を要請した。

  具体的には、1,2年生の生活科の学習で、子どもたちに昔の遊びを教えていただいたり、ひまわ生活科での遊び先生り会の皆さんには、4年生の総合的な学習「校区をきれいに大作戦」で地域の環境づくりのための「花いっぱい運動」を展開されていることを教えていただいたりすることで、子どもが関心をもち学ぶ意欲を高める役割を果たしていただいた。

  スクールボランティアは、いずれも昨年度から引き続いて関わっていただいた方々で、子どもたちにもなじみがあり、意欲的に活動に取り組むとともに、ボランティアの方々とふれあうことを楽しみにしている姿が見られた。

 

                                                               生活科での遊び先生

 

(2)「見守り隊」の活動と交流の取組(地域による)・・・AP6

  本校区の地域の方々の子どもたちへの特徴的な関わりとして「見守り隊」がある。

子どもの安全確保の為に自主的に組織され、一日も欠かすことなく見守り活動を続けていただいている任意の団体である。

  見守り隊の方々は、毎日、登下校時に子どもたちの安全を確認しながら、挨拶や声かけを行って見守り隊の方への感謝の会くださり、子どもたちとも顔なじみである。時には、登校途中で具合が悪くなった子どものことを学校に知らせていただいたこともある。この見守りの方々との交流として、ランチルームで子どもたちから感謝の言葉を伝えるとともに、給食をともにとっていただく「感謝の会」を行った。見守り隊のみなさんは、うなずきながら満足そうな表情で子どもたちの感謝の言葉に聞き入っておられた。年に一度の会であるが、子どもたちが地域の人たちとの関わりを実感する貴重な機会であった。

 

                                                            見守り隊の方への感謝の会

 

2 学力向上をめざす取組

1 学習に対す意欲や構えをつくり出すために

  子どもたちの学習意欲や学ぶ姿を高めるためには、その前提としての学び方の基本=「学習の構え」を身につけさせること、学習に対する技能を高めることが必要であり、これらの共通理解を図り、学校全体で取組を進めるとともに、子どもたちにもめざす学びの姿を捉えさせることが大切であると考えた。

 

(1)学習の構えづくりの取組(学校による)・・AP4

  学校としての「学習の構え」をつくるために、まず、年度はじめに講師を招いた研修を行い、そこで学んだ聞き方・話し方を取り入れた授業公開を通して、教師間でめざす子どもの姿の共通理解を図った。

  また、この学び方を取り入れた研究授業を行い、その育ちを研究会の協議内容の一つとすることで、学校としての学び方の育成に努めていった。さらに、モデルとなる学級の学習の様子を、校内テレビで解説しながら放映したり,実際に子ども達が他の学級に入って参観したりするようにし、良い学び方のイメージを子ども自身に持たせるようにした。また、発表が上手と学級で認められた子どもには、“発表名人” の認定証を学校長より渡し、意欲の向上を図った。

話し方のモデル

話し方のモデル

 

(2)学習の技能や集中力を高める取組(学校による)・・・AP4

  一方では、短時間に集中する時間としての朝タイムを活用し、これも全校一斉で取り組むこととした。内容としては、漢字や計算、社会科の県名・地名、ローマ字などの問題を準備して、チャレンジさせていった。また、掃除時間の後に読書タイムを位置づけて、本に親しむとともに、落ち着いた状態で午後の学習に向かう態度の育成を図ってきた。

 

(3)ボランティアによる学習支援の取組(地域による)・・・AP2    かけ九九の暗唱チェックかけ九九の暗唱チェック

  子どもたちの学習に直接的に関わっていただく支援として、8月下旬の夏休み学習の補助や2年生のかけ算九九の暗唱チェック、学期末ドリルの丸つけなどを要請して行った。特に、かけ算九九の暗唱は聞いていただくことを子どもたちが心待ちにしており、列を作って並びながら、合格シールをもらえることを楽しみに取り組む姿が見られた。

 

2 学力向上をめざす授業のために

  子どもたちの学力向上をめざすには、日々の授業の向上を図ることであり、そのためには、教師個々の授業力を高めることと、学力向上を目指して組織としての取組を積み上げることが重要である。

 

(1)授業改善をめざす校内研修の取組(学校による)・・・AP4

  本年度の授業研修=授業改善という基本的な位置づけを確認し、授業の質や教師の指導力を高めることを主眼において共同研修に取り組んできた。

  授業研修の対象としては、国語科と道徳の時間の二つであったが、講師招聘の授業は全体研修とするなど、できるだけ教師が一丸となって研修する体制をとっていった。

  また、協議の内容についても、本時に至る指導のあり方や他の学年の授業内容との系統性からの検討を行い、授業の改善案を共有化したり、これからの各自の授業改善に生かしたりできるように進めてきた。

 

(2)授業力を高める個人課題に応じた研修の取組(学校による)・・・AP4

  年度はじめの自己課題の設定と重ね合わせて、各自の経験や特徴教科、校務分掌などに応じた校外での研修の充実を図ってきた。この際にも、できるだけ授業実践に関わる研修内容を多く選択し、個人としての授業力を高めることをめざすこととした。

支援のポイントとその成果

1 支援のポイント

  本年度の重点として、学習の意欲と学力向上をめざして上記のことに取り組んできたのであるが、これらの取組を振り返ると、以下のようなことが考えられた。

 

(1)連携を進める協力体制の全体像を明らかにする

  子どもたちを取り巻く取組を展開するためには、学校,家庭、地域で教育活動の方針 やめざす子どもの姿についての共通理解を図るとともに、連携の意志を明確にしておく ことが必要である。そして、連携を進める協力体制の全体像を明らかにしておくことが、 各団体が担う役割や支援の活動内容などの計画・実施をスムーズに進めるポイントにな ると感じる。

  このことを通して、「学ぶ意欲を高め、学力向上をめざす」取組のどの部分を学校が 担い、地域や家庭にはどの部分での協力を要請するのかという相互理解のもとに、協働 的な学校支援の活動が展開されていった。

 

(2)「教育力向上アクションプラン会議」を機能させる

  連携の推進に対して助言や支援を行う母体となる組織を整え、機能させることが重要である。地域団体やPTAには各種の組織があり、そのそれぞれに役割や意図がある。それらの組織を効果的に活用するために、この会議の中で、「子どもを中心とした連携という視点」から地域や家庭の代表者からのアドバイスを積極的に出していただいた。

 

(3)子ども主体の活動を設定する

  連携や支援については、大人からの一方的な働きかけではなく、子どもとの双方向の場を取り入れるとともに、できるだけ子ども主体の活動を設定することである。支援を受けながらも、子ども自身が積極的に取り組むことを通して、問題の解決への意欲を高めたり、活動をやり遂げたという実感をもったりする経験を大切にした。

 

2 取組の成果

(1)子どもの評価(学習に関わる自己評価、CRT標準学力検査結果)

  学び方の積み上げによって、わずかずつではあるが、学習に対する構えや自主的な姿勢が育ちはじめていると考える。3学期に行った CRT標準学力検査結果では、昨年度に引き続き、国語も算数も前年度を上回る好結果となった。

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(2)家庭の評価(保護者評価とPTA家庭教育宣言アンケートによる評価結果)

○保護者評価より

  家庭での学習の習慣が身についてきたことや、挨拶がよくできるようになっているという声が多く寄せられた。

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○家庭教育宣言に関わるアンケートより

  「新家庭教育宣言に取り組んでよかったこと」として、「親自身のあり方を考えるようになった」という回答が多くあった。家庭教育について保護者自身が見つめ直す機会となり、子どもとの関わりについての保護者の意識が高まることにつながった。

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(3)地域のスクールボランティアの方からは、「頑張って合格しようと繰り返し九九を唱えている様子や、早くから列を作って並んでいる姿を見ると、嬉しくてわたしたちの方が楽しみにして来ています。」という言葉をいただいた。また、「花いっぱい運動」を展開されている方々からも、「わたしたちが怡土の地を大切に思って活動していることを子どもたちにわかってもらえたことが嬉しい。」という声が聞かれた。

  このように、地域の方が学習支援を通して子どもたちと関わる喜びや、教えることを通して自分たちの思いを伝えることなど、サポート活動に対するやり甲斐を感じておられることが伝わってきた。

 

(4)教師の評価(学校(職員)評価)

  共通理解をもとにした協働意識の高まりや、授業改善を企図した校内研修で学んだことが実践に反映されていることが伺える。        

  また、学校を中心とした連携の取組を進めることを通して、本年度の重点を具体化する校内の各推進部の主体性と参画意識を促すことができたと考える。

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シンボルマーク
福岡県教育庁教育企画部 企画調整課 教育力向上対策室
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