ワンポイント・リーフレット第13号 異年齢交流活動(縦割り活動・中学校の取組)
近年の少子化、子育ての価値観や地域の教育力の変化に伴い、子どもたちの異年齢での集団遊びが目立って減ってきました。それにより、子どもが集団遊びで自然のうちに身に付けてきたコミュニケーション能力や自尊感情、社会性、規範意識、体力等を育む機会が減少しています。これら自尊感情や社会性、規範意識等の低下は、自分に自信をもてずに周囲に必要以上に迎合し、公共のルールやマナーを守れないなど、TPO(Time;時,Place;場所,Occasion;場合)を考えない行動が増えることにつながっています。
今回は中学校で異年齢による交流を意図的に仕組み、自尊感情等を育むのに効果的な活動とするために留意するポイントをまとめました。
1 異年齢交流活動の意義
学校生活や部活、放課後にはそれぞれのスケジュールと、今の中学生は忙しく、同年齢の仲間と遊ぶことすらままならない実態があり、異年齢との交流となると部活動が主なものになります。
中学校で異年齢交流活動を仕組む場合、3年生がリーダーとなり、上級生が下級生を繰り返し指導する機会を設定し、共通の目標に向かって活動をやり遂げさせることが必要となります。そのことで、下記のような力をつけることが可能になります。
2 異年齢交流活動を仕組むコツ
チェック1 活動に共通の目標を持たせましょう
活動に目標を持つことの意義を生徒に理解させた上で、共通の目標を設定し、目標を達成するために必要なことを共有しながら活動させると、生徒の取り組む姿勢や成果も大きくなります。
例えば、体育祭では学年縦割りのブロック別対抗戦形式をとっている学校も多いでしょう。「ブロックの優勝」を大きな目標にすると、そのために必要なこと、つまり小さな目標(競技中は大きな声で応援する、力を出し切る、応援合戦では自分の役割を果たす…)が生徒の側から考え出されます。小さな目標をクリアしていきながら、時には振り返り、小さな目標を設定し直したり、手段を改善するなどして大きな目標に向かっていくことが大切です。もちろん推進役は3年生です。3年生がリーダーとなって目標を決めさせていくことは必須です。
チェック2 継続的な異年齢交流活動となるようにしましょう
お互いのことをよく知らないまま一緒に活動しても、充実感や所属感はなかなか得られません。そのことは研修会や講習会、地域の活動等で初めてグループを組んで活動したことがある方はよくお分かりでしょう。目標を設定し、試行錯誤しながら活動し、達成することで充実感や所属感、仲間意識が高まります。中学校では、体育祭でのブロック別活動で継続的な異年齢交流活動がよく行われますが、可能であれば、文化祭やクラスマッチ、合唱コンクール、総合的な学習(地域との交流活動)等においても異年齢交流活動を広げてみてください。また、清掃活動等の日常生活も活用していきましょう。生徒の自尊感情を高めるため には、あらゆる機会を活用し、長い期間をかけて育むことが重要です。
チェック3 グループのルールを決めましょう
チェック4 2年生が1年生を指導する機会を設定しましょう
生徒たちが3年生になって、いきなりリーダー性を発揮することは難しいことです。3年生に頼らず下級生を指導していくという意識や力を2年生のうちから徐々に付けさせていくことも大切です。
チェック5 活動後の振り返りで子どもたちの学びを強化しましょう
「生徒たちに~のようになってもらいたい」というめざす姿がゴールであり、異年齢交流活動を仕組むことや活動を終えることがゴールではありません。しかし、活動が終わり、十分な振り返りができないままになってしまうと、せっかく多くの時間や労力をかけたのに、「もったいない」の一言です。活動後にグループの振り返りの時間を設定し、気付いたことを互いに共有し、学びを強化していくことが大切です。
例えば、「活動に際してありがとうと思ったことは?」「活動がうまくいったのはなぜ?」などと問いかけ、各自が人とは違うことを言うようにしておきます。人の意見への否定はなしです。人から認められると嬉しいですし、次も頑張ろうと思います。また、他の意見を聞いて自分が気付かなかったことを学び、次からの活動や学校生活に生かせるようにもなります。特に異年齢で行うことで上下間の信頼関係はより深まります。また、先生からほめられるとより効果的です。
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