ワンポイント・リーフレット第14号 異年齢交流活動(縦割り活動・高等学校の取組)
近年の少子化、核家族化に伴い、これまでは子どもの集団活動や異年齢との交流活動等を通じて、日常生活の中で自然に、子どもたちが身につけてきた対人関係能力や社会性、規範意識、基本的生活習慣などを育む機会が減少していると言われています。この対人関係能力や社会性などの低下は、子どものその後の人生においても、定職に就いて働き続けることができなかったり、安易な触法行為を行うことなどに、少なからず影響を与えていると言われています。
高等学校においては、地域との交流や学校間連携の観点から、小学生や中学生との交流活動等の取組を積極的に推進し、その活動体験を通して、社会性の涵養等を図ることも大切です。
今回は、異年齢交流活動を高等学校で取り組む際のポイントを紹介します。
チェック1 活動の意義に対する共通理解を図ることが大切です。
異年齢交流活動は、物事に対する責任感や人を思いやる気持ちを育む上で、大人が想像する以上に大きな効果が期待できます。その活動の中で味わう達成感や失敗したときの悔しさ等の体験の積み重ねをとおして、物事に取り組む意欲が高まり、自尊感情や社会性等の涵養につながります。
自分の努力が結果につながった実感や、「ありがとう」と感謝される経験が、生徒の心に素直に響き、物事に対する意欲や生きる自信につながります。
チェック2 地道にできる取組からはじめましょう。
子どもたちだけでなく先生たちも、異年齢の交流活動にあまり慣れていないため、はじめから無理せず、簡単に取り組めること、取り組みやすい規模からはじめましょう。あまり形式にこだわらず、生徒たちの自由な発想と先生たちも一緒に楽しむ雰囲気をつくることからはじめてみませんか。
大切なのは、生徒たちに達成感ややりがいを感じさせることです。
チェック3 生徒の発想をできるだけ取り入れましょう。
異年齢交流活動を企画するに当たって、担当の先生が行事の大枠や諸手続き等を進める必要はありますが、活動の具体的内容については生徒の発想をできるだけ取り入れることが大切です。どのような企画であれば子どもたちが積極的に取り組むか、みんなが喜んで参加できる企画であるか等を考える際は、生徒たちの方が大人より柔軟な発想が期待できます。
「自分で決める」という経験が、生徒の自信を育むことにつながります。
チェック4 教員間はもちろん、保護者や地域の方々とうまく連携をとることが大切です。
異年齢交流活動は、学校が保護者や地域の方々と連携を深める絶好の機会です。高校生だけでなく、地域の子どもたちの育成にも関わる行事なので、地域の協力が比較的得やすいところがあります。また、保護者や地域の方々との共同作業を通して、先生方の教育活動の幅が広がります。
教員間では、部活動や他の行事との調整を事前にしっかりやっておくことで、時間的な余裕が生まれ、スムーズな運営につながります。
保護者や地域の方々に、学校や先生方に対する信頼を深めていただく機会です。
チェック5 教員は、見守りながら育てるという気持ちで参加することが大切です。
学校生活でいつも見ている生徒たちでも、「こんなに面倒見がいいんだ」「こんな特技があったんだ」などと感じる場面にきっと出会うと思います。先生たちは、生徒の新たな一面を発見しようという気持ちで参加してみませんか。生徒の自主性を大切にして、成功や失敗をたくさん経験しながら、短い期間で成長していく生徒たちを温かく見守りましょう。
学校生活では気づかなかった、生徒の新たな一面の発見につながります。
活動事例: 須恵高校「小学生との交流会」
この活動は、地域に根ざした教育活動の一環として平成10年度に始まり、各町の教育委員会をはじめ、子ども会等の協力を得て、今年で12年目を迎えました。今年度は、糟屋郡の須恵、粕屋、志免、宇美、篠栗、久山の6町、それぞれ3箇所程度の計17会場で、7月21日~23日の期間中に高校生527名、小学生495名の参加を得て実施しました。
高校生は、午前中の課外授業終了後に各自で会場に行き、打ち合わせ後、勉強の指導とレクリェーションをとおして小学生との交流を図りました。各会場にはPTA役員2名と引率教員2名が付きましたが、交流会の運営・進行等はすべて高校生が行いました。
活動後に小学生が書いたアンケートでは、「わかり易かった」「楽しかった」というものがほとんどで、その多くが「来年度も参加したい」と答えていました。高校生が書いた感想文では、1年生では「はじめは乗り気ではなかったが、行ってみると楽しかった」「人に教えることがこんなに大変だとは思わなかった」などが多く、2年生では「わかり易く教えようと努力したらちゃんと理解してくれてうれしかった」「去年よりもうまく接することができた」など、前年度の体験を踏まえた工夫改善により、達成感を味わった生徒が多く、「来年もできれば参加したい」という言葉がいくつも見られました。
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